買取ビジネスで失敗する理由と失敗しない方法を解説!
国内のリユース市場は2兆円を超えており、2025年には3兆5,000億円への到達が期待されている成長市場です。また、買取ビジネスは好況・不況に関わらず収益を上げられるビジネスモデルであるため、フランチャイズで開業をする際の候補として注目されている業種です。
ただし、買取ビジネスに挑戦するオーナー全員が成功する甘い世界でもありません。オーナーの取り組み方次第ではビジネスに失敗し撤退する可能性もあり得ます。この記事では、買取ビジネスで失敗する理由とその対策について解説します。
目次
1.買取ビジネスで失敗するパターン
1-1. 店舗運営における工夫がない
店舗運営のための工夫ができなければ、買取ビジネスも失敗に終わってしまいます。
フランチャイズでは本部から経営のサポートを受けながら店舗運営ができるため、成功率の高いビジネスモデルと言われています。ですが、アドバイスを元に店舗を運営したとしても、十分な収益を上げられるかどうかはオーナーの努力次第な部分もあり、本部へ頼りきりになってしまうとうまくいきません。
理由としては、本部はブランド力向上のための広範囲での広告宣伝や季節に応じたキャンペーンやイベントの企画開発、他店舗の運営情報の収集と共有をおこないますが、各店舗における広告や実際の販売活動などはオーナー自らが実施するものになるからです。
店舗を訪れてくれるお客さんも、接客のクオリティが悪い、店舗の清掃が行き届いていないと気づけば、他のお店に移ってしまいます。店舗ビジネスではいかに地域に密着した活動ができるかが収益向上のカギになりますから、地域住人に存在を知ってもらい、実際に来店してもらうための差別化などは、オーナーの腕の見せ所でもあるのです。
1-2. 従業員と信頼関係を築けない
店舗ビジネスであれば従業員を雇用するケースも多いかと思いますが、現場を従業員だけに任せきりにして、上手くいかないケースも多々あります。
従業員の多くは時間給などの固定給の場合、オーナーがいつまでも現れなければ、モチベーションが下がり最低限の仕事しかしなくなってしまいます。いかにサボってコスパ良く時間を過ごせるかを考えるようになるのです。オーナーとの信頼関係がなく、仕事に積極的に取り組むメリットを感じることができなければ、集客力アップのための工夫を従業員自らおこなうことはありません。
従業員の士気が下がれば店舗の清潔さは失われ、確実に接客の質も落ちていきます。従業員だからこそ見える顧客の行動パターンなどのデータも蓄積されないため、業績アップのために必要な改善策を練ることができません。
また、現場の従業員に任せることができずに失敗するパターンもあります。オーナー自らが現場に出てきたとしても、従業員の仕事が遅い、詰めが甘いと感じ、それを見ていることがストレスになる場合は危険信号です。
自分がやったほうが効率よくなるのは当然ですが、我慢できず自分でやってしまうと従業員が育たなくなり、今後も自分が動き続けなければならない状況を自ら作ることになります。自分が出るところと任せるところの適度な調整が上手くいかず、従業員と信頼関係を築けないで失敗するケースは多々あります。
1-3.フランチャイズ本部との信頼関係を築けない
買取ビジネスで失敗する原因として、フランチャイズ本部と信頼関係を築けないケースもあります。特に開業から赤字が続いてしまうと、当初提示されていた収益モデルとの違いに苛立ちを感じることがあるかもしれません。
原因解決のために本部とコミュニケーションを取れれば良いですが、気軽に相談できるような関係性でなければ、赤字のストレスのせいで店舗運営へのモチベーションが下がります。その結果、収益がいつまでも改善しない悪循環に陥る場合があります。
また、フランチャイズ本部からの運営ノウハウを学んでも、信用できずに自分流の運営をおこなって失敗するケースもあります。その場合、赤字になるほど冷静な判断ができなくなります。
自分流での失敗を認められないため、本部からの改善案があったとしても、「自分のやり方は間違っていないはず、もう少しできっと改善されるはず」と自分のやり方を盲信し続けてしまうのです。状況が悪くなるほど視野が狭くなり、客観的な判断や決断ができずに失敗してしまいます。
1-4.利益追求だけに走る
買取ビジネスでは、お客さんはできるだけ高く売りたいと思い、店舗としてはできるだけ安く買いたいと考えるため、双方に相反する気持ちが生じます。そこで利益追求に走ると失敗してしまいます。
確かに、安く買取ができれば店舗の収益はその時点では上がりますが、お客さんとしては高く売れないお店だとわかると、リピーターにはなってくれません。意外と思う方もいるかもしれませんが、買取店にも一定数のお得意様やリピーターが来店します。地域密着型のビジネスをやる以上、再来店してくれるお客さんが増えていかなければ、運営は厳しくなります。
また、利益追求への傾倒は従業員のプレッシャーにもなりますので、上手く立ち回れなければ顧客とも従業員とも信頼関係が築けなくなる恐れがあります。
1-5. 資金計画を見誤る
買取ビジネスに限ったことではありませんが、当初の資金計画の通りに事業が進まず、思いがけない出費が重なり資金繰りに困るケースも多々あります。原因としては、開業資金だけに気を取られてしまい、開業後の運営費用を細かく想定できなかったことが挙げられます。
開業後は店舗の賃料や従業員の人件費、買取資金や光熱費、フランチャイズ本部へ支払うロイヤリティなどが運営費用としてかかりますが、見積もりが甘いと早い段階で資金繰りが苦しくなります。採算が合わなくなれば当然廃業や撤退に追い込まれることになります。
1-6.フランチャイズ本部選び
ビジネスをスタートする以前にフランチャイズ本部選びで失敗してしまうケースも少なくありません。不利なフランチャイズ契約を結んでしまう、フランチャイズ本部から十分なサポートを受けられないなど、フランチャイズ本部選びを誤るとフランチャイズでビジネスをするメリットを活かすことができません。
具体的には、加盟金は小額であったにもかかわらず、毎月本部へ支払うロイヤリティの額が大きく収益を圧迫してしまっている、自店舗のすぐそばに他の加盟店がオープンして顧客を奪われ売上が落ちてしまうといったケースがあります。
2.失敗から得られる教訓とは?
買取ビジネスで失敗する6つのパターンをご紹介しましたが、これからフランチャイズで挑戦をしようと検討されている場合、先人の例を教訓とすれば大きな失敗を避けることができます。
例えば他店との差別化などの工夫ができずに失敗したケースでいえば、無理に自分でイチからアイデアを練ろうとしなくても、他店舗の取り組みや競合の戦略を参考にすることで差別化を図ることができます。
地域住民に店舗の存在を知ってもらうためには、店舗独自の広告を導入する必要があります。地図アプリやSNSなどは無料の広告として利用できますし、投稿に従業員も参加してもらえれば、モチベーションにもなり接客のクオリティが向上するはずです。
従業員との信頼構築で失敗したケースであれば、従業員の目線に立った現場作りを心がけることが大切です。接客や清掃、作業効率化など指示したいことがあれば、オーナーが見せることで説得力が増しますし、時には従業員のアイデアを吸い上げるなど、店舗運営に関わることにメリットを感じてもらう工夫をするとよいでしょう。
本部との信頼構築なら、まずは本部のやり方にそのまま従ってみることが定石となります。守破離とよく言われますが、自己流に切り替えるのは上手く行き始めてからでも問題ありません。
利益追求の失敗では、利益の追求はビジネスをするうえで大前提であることに違いありません。ただし、利益を得られるのは顧客との信頼関係を構築できてこそですので、顧客にもメリットを感じてもらう必要があります。
利益の最大化を目指す場合、時間軸も考慮すると良いでしょう。短期間での利益最大化は顧客にデメリットとなる場合がありますから、双方にメリットとなるよう、長期的な目線での利益の最大化を目指しましょう。
資金繰りの失敗から学べることは、フランチャイズでの開業というと開業資金ばかりに気を取られますが、より重要なのは開業後の運営費用の方だということです。
人件費やロイヤリティ、光熱費や広告費、買取資金など、店舗運営には多くの費用がかかります。資金繰りは多くのオーナーが苦労しているポイントでもあるため、もし他のオーナーの経験談などを聞く機会があれば、成功方法だけでなく失敗や苦労したこともあわせて聞くことが大切です。成功方法は十人十色で人によって異なりますが、失敗例は共通していることが多いです。
最後に本部選びへの対策ですが、フランチャイズの契約内容は一言一句確認し、不明な点は問い合わせるようにしてください。特にお金が関わるものは、計算方法など細かく理解することが大切です。どのようなサポートを受けられるのかを把握し、実際にそのサポートを受けられるのか他店での事例も問い合わせるとよいでしょう。
また、近隣で複数の加盟店をオープンさせることは売上最大化を狙うための戦略の一つでもあります。もちろん、戦略が上手く行かなければ売上の奪い合いになりますので、テリトリー制のルールについても契約内容を確認するようにしてください。
3.まとめ
買取ビジネスで失敗する理由とその対策について解説しました。買取ビジネスでの成功例は様々で、成功方法にはオーナー個人との相性がありますが、失敗例の多くは共通しています。先人の失敗体験でさえも自分の糧にできれば、成功にぐっと近づくことができるはずです。