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2022年3月2日

【最新版】リユース業界ってなに?市場規模と将来性とともに徹底解説

リユースとは、人が使わなくなった中古品を清掃して再販売することをいいます。中古品販売といえばリサイクルショップを想像する方もいるかもしれませんが、本来の意味でいうと中古品販売店はリユースショップが正しい名称になります。リユース市場は10年以上プラスの成長を遂げており、今後も伸びていくことが予想されます。この記事では、リユース業界の概要や市場規模、市場の将来性について詳しく解説します。

1.リユース業界とは?

1-1.そもそもリユースってなに?

リユースとは、不用になったものを捨てずに再使用することを意味する言葉で、環境に配慮した取り組みの一つでもあります。リユースへの取り組みはゴミを減らす活動として環境省も積極的に推進しており、環境に配慮した基本的な考え方として、リユースの他、リデュースとリサイクルを合わせて3Rと呼ばれています。

リデュースは製品を作る際に発生するゴミを削減すること、リサイクルは製品を元の素材にまで分解して新たな製品に作り替えることを指しています。日本でリユースが意識され始めたのは2000年頃からで、循環型社会形成推進基本法の考え方に含まれています。リユース業界は、製品の再利用をビジネスに活用している業界ともいえます。人が使わなくなった中古品を交換・売買することで収益をあげ、まだ使える製品の再利用を促すことに貢献しています。工場で作られた商品は新品として市場に出回りますが、新品の市場は一次流通と呼ばれており、中古品は新品の市場と区別して二次流通と呼ばれています。

従来の中古品市場はリサイクルショップなどが流通を担っており、企業から消費者への物流が発生するBtoCの業態が多くありましたが、近年ではインターネットの普及や個人売買ができるアプリなどの登場により、消費者同士が物の取引をおこなうCtoCの市場も拡大しています。中古品の取引が一般的になったことで、気軽にリユース商品を手に取る機会も増えてきています。

 

1-2.リユース業界の現在の市場規模と将来性

中古品の流通を担うリユース業界の市場は、過去最大規模にまで発展を遂げています。業界新聞であるリサイクル通信が発表した「リユース業界の市場規模推計2022(2021年版)​」によると、2021年のリユース業界の市場規模は約2兆7,000億円にまで到達しており、前年の2020年から10%以上の成長を記録しています。

成長の内訳としては、全15項目の内ゲーム関連と書籍、ベビー・子供用品の3項目についてはマイナス成長となりましたが、他の項目においてはすべてプラス成長となっています。特にリユース業界で伸びている製品群としては、玩具・模型やブランド品、衣料・服飾品やスポーツ・レジャー用品、バイク・原付や携帯・スマホなどがあり、これらの項目においては前年比10%以上のプラス成長となっています。

リユース業界の成長の軌跡をたどってみると、2009年にリサイクル通信が調査を開始して以降、13年連続で成長し続けている産業であり、業界の市場自体が2.4倍近く拡大しています。2025年には今の2兆7,000億円から3兆5,000億円にまで市場拡大を続ける見通しとされており、将来性が大いに期待されています。

 

1-3.リユースとリサイクルの違いとは?

かつての中古品販売店といえばリサイクルショップを思い浮かべるかもしれませんが、いつの間にかリユースショップも増えてきており、両者がどのように違うのか疑問に思う方もいるかもしれません。リユースとリサイクルの言葉の違いとして、リユースは一度使用された製品をクリーニングや修繕をしてそのままの形で再使用することを指し、リサイクルは製品を素材にまで加工分解し、資源として新たに別の製品を作り出すことを意味しています。

リサイクルショップと言われて思いつく店舗で、素材にまで加工して新たな製品を作り出しているようなお店はほとんどないのではないでしょうか。つまり、中古品販売をおこなう店舗の正式な呼び名としては、リユースショップの方が本来の業務形態としては適した名称であることがわかります。本来の意味は異なりますが、中古品販売の業界の中では同じ意味として扱われてきました。

リサイクルという言葉が使われ始めたのは1970年代の頃からです。その後中古品販売のお店が登場しましたが、言葉に馴染みがあったことからリサイクルショップと呼ばれるようになりました。リユースという言葉が使われ始めたさらに後のことで、2009年頃からです。中古品を扱う小売業の大手企業が集まりリユース業協会を設立したことをキッカケに、リユースという言葉の認知が拡大していきました。メディアリリース時にも「リサイクルショップと呼ばないで」と呼びかけていました。リサイクルは不要なものを素材として新しい物を作ること、リユースは不要なものを清掃し他の人が使えるようにすることです。

 

2.リユース業界のビジネスモデル

2-1.リユース業界の特性とは?

リユース業界では、消費者が一度購入したものを企業や個人が買い取り、中古品として市場に再販売して収益を獲得します。不要になった物を現金化したい人、欲しい品物をできるだけ安く買いたい人のニーズを満たすことのできるビジネスモデルです。いらない物を売りたい人も、品物を安く買いたい人も時代に関わらず常にいますので、リユース業界は景気に左右されない業界といわれています。また、モノを再利用することで資源を無駄に消費することがないため、ゴミを減らすことができ、自然に優しい環境に配慮したビジネスを展開できる業界です。

 

2-2.リユース業界に求められていることニーズ

リユース業界に求められていることは、不用品の処分と高価買取です。

リユース業界の強みは、販売できる市場を見つけ出し、中古品に対して価格を付けられることです。今までならゴミとして捨てられてしまうような物も、必要な人を見つけ出しつなげることで、ゴミになることを防ぎ新たな価値を生み出すため、お互いがwin-winな取引ができるようになります。

一方で、ブランド品であれば処分してしまうよりも、少しでもお金にしたいという考え方もあり、そこに高価買取のニーズが存在します。現金化するにあたり、極力高く買ってくれるお店と取引をしたいという考えのもと比較検討していくユーザーがいるためです。

コロナ禍で個人間の取引も大幅に増えたことで、インターネットやアプリを駆使したより手軽な取引が求められています。

 

2-3.リユース業界の仕入れ先

  • 消費者から買取する:最も一般的な仕入れ方法で、看板やweb広告などでPRをおこない、店舗への持ち込みを訴求します。資金があればその場で品物を仕入れることができるため、販売先を確保していれば、集客を強化し回転率を高めることで収益を増やすことが可能です。
  • ネットオークション:ジャンク品なども販売されており、修理やメンテナンス可能な業者であれば、製品を格安で仕入れることができます。
  • 回収業者:不用品回収の業者から買い取る方法で、安定的な仕入れルートになります。
  • 卸業者:新品在庫を所有するほか、海外製品を扱う卸業者もあり、強力なパートナーになり得ます。
  • 古物市場:入会金などが必要になりますが、販売可能性の高い品物を見つけられます。

 

2-4.リユース業界の販売手法

  • 店頭販売:店頭販売では販売してからすぐ現金を受け取れる即金性のある点や在庫の管理もしやすい点がメリットです。ただし、店舗内で管理するため窃盗などには注意しなくてはなりません。
  • 通販:インターネットを通じて全国の消費者を相手に24時間販売できることが大きなメリットで、在庫管理を任せられるサービスもあるため、自動で収益を積み重ねることが可能です。
  • 事業者:事業者向けの販売では個人よりも取引規模が大きくなるため、1回の取引で大きな収益を見込めます。一つの事業者とつながることができれば、横のつながりを利用して販路を拡大できるため、店舗にとって大きな収益源にもなり得ます。
  • 海外:リユースは日本だけでなく世界でも市場が広がっており、越境ECなど国境を越えた通販が活発になっています。日本製品の品質は海外からの信頼も高いため、中古品でも販売しやすいメリットがあります。

 

3.リユース業界には主に5つの種類がある

市場拡大中のリユースは、フランチャイズでも人気の業種です。リユース業界にはさまざまなカテゴリがありますので、押さえておきたい主要5種類の特徴を紹介します。

3-1.リユースの種類① 中古車

中古車販売は、店舗型買取・販売のほか、無店舗で買い取ったものを本部のオークションで販売したり、海外に輸出したりするなど、さまざまな形態があります。
店舗型の場合は、展示スペースの確保が必要となり、店舗関連費が高くなることがあります。
利益率はそれほど高い業種ではありませんが、中古車1台あたりの金額が大きいため、利益額が大きいことも特徴として挙げられます。
一方、展示スペースが必要となるため、在庫があると地代が大きくかかってしまうというデメリットがあります。

 

3-2.リユースの種類② 古着(衣料・服飾品)

不要になった服を買取、販売する衣料品のリユースショップには、ブランド衣料専門や、キロ単位で買い取り、格安で販売するなどの営業スタイルがあります。
季節ごとにシーズン商品を売りたい・買いたいという需要があり、品揃えの幅広さやターゲット年齢の幅広さから、顧客がつきやすくリピート率が高いのが特徴です。店長に目利き力があり、独自のブランディングを行えれば、特定のファンがつくお店を目指せる可能性があります。

 

3-3.リユースの種類③ 総合リサイクル

電化製品から家具、日用品、スポーツ用品など、さまざまな商品を扱う総合リサイクルショップは、比較的店舗規模が大きくなります。
地域・生活密着型で不況の影響を受けにくく、商品の取扱い幅が広いため、客層の幅も広いという特徴があります。

 

3-4.リユースの種類④ 骨董品

骨董品・美術品・文化財などを取り扱う専門性の高いジャンルは、顧客は富裕層や専門業者が多いのが特徴です。
しかし、骨董品は他の業界に比べて市場規模が小さいため、単体ではビジネスになりにくい業界です。そのため、骨董品を単体で扱う業者と比較して他の買取品目と併せて取り扱っているケースが多くなっています。

 

3-5.リユースの種類⑤ ブランド・宝飾品

ハイブランドのバッグや小物・時計などの買取・販売は、単価や粗利が高いのが特徴です。リユース需要のほか、海外需要も高く今後の成長が期待できるジャンルで、買取専門なら在庫を抱えすぎてしまうというリスクもありません。

 

4.リユースの種類の選び方とは?

リユースの種類を選ぶ際のポイントは、興味のある種類を選び、その種類のニーズや将来性を見極めることです。また、開業資金がどのくらいかかるのか、店舗の有無も大切な選定のポイントです。店舗の有無は、開業資金やその後の運転資金に大きく関わってきます。

興味のあるリユース業には、どのような運営方法やメリット、リスクがあるのか等をよく考えて、リユースの種類を選定しましょう。

 

5.まとめ

リユース業界の概要についてご紹介しました。中古品取り扱い店舗の正式名称は、リサイクルショップではなくリユースショップです。リユース市場は10年の間に2倍以上の市場規模に成長し、今後もさらに取引が活発になっていくことが予想されます。もちろん経済の動向は誰にも予想できないことではありますが、リユース市場は今後も継続的に成長していくことでしょう。

 

 

 

 

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