フランチャイズの実情や将来性とは?これから伸びる分野を解説
フランチャイズ本部を選ぶ際、初期費用の低さや未経験でも成功するといった謳い文句に目を奪われてはいないでしょうか。人生をかけてフランチャイズ独立を目指すなら、最新の動向をしっかりと調査し、将来性の有無を客観的に分析することが大切です。この記事ではフランチャイズの実情や将来性について解説します。
目次
1.フランチャイズの最新動向
フランチャイズ業界の動向としては、店舗数の減少はあるものの、売上としては上昇傾向にあります。日本フランチャイズチェーン協会の2021年度統計調査によると、国内の店舗数は2020年度より3,729店舗減少しましたが、売上高は4,605億円のプラスとなっています。
2021年度は緊急事態宣言が業界に大きな影響を与えましたが、市場の変化に合わせて柔軟に対応し、業績を回復させた企業もあります。コロナ禍における規制は徐々に緩和されてきていますが、国の方針に対応しながら消費者のニーズに応えられるビジネスが今後も伸びていくことが予想されます。
2.これから伸びるフランチャイズは?業種別に紹介
これから伸びるフランチャイズを選ぶことで、市場成長の後押しを受けながらビジネスを展開できます。
2-1.買取・リユース業
買取・リユース業は、消費者から不用になった中古品を買い取りし、再販して収益を上げる業態です。近年では環境保護への取り組み指針であるSDGsが広がりを見せており、企業も個人も再利用への意識が高まりつつあります。また、コロナ禍で在宅時間が増え、不用品整理などでフリマアプリの利用者が増加したことで、中古品の売買が日常的なものとなりました。市場自体も年々成長しており、今後も伸びる業界として注目されています。景気が落ち込めば持っている物を売却する人が増え、景気が回復すれば購入する人が増えるため、取引量で収益を上げる買取ビジネスは、景気の動向に左右されない業界です。フランチャイズなら1人でも独立開業できるため人気があります。
2-2.飲食業
飲食業はフランチャイズでの独立開業を目指すジャンルとして定番となっており、人気もあるため今後の需要も高く維持することが予想される業種です。人気があるためライバルは多いですが、顧客のニーズは多様化しているため、戦う場所や戦い方を間違えなければ生き残るチャンスは多くあります。特にコロナ禍を経て需要が高まっているデリバリー専門店やテイクアウト専門店は伸びしろがあるジャンルのひとつです。デリバリーであれば人との接触を最小限に抑えられますし、テイクアウトであれば店舗の維持費を節約できます。
2-3.高齢者向けサービス業
日本は超高齢化社会であるため、高齢者向けサービスの需要は今後ますます増加していくでしょう。なぜなら日本の高齢化は毎年進んでいるにもかかわらず、常に人手不足が課題とされているからです。介護を受ける側にとってはサービスの低下に頭を抱えており、介護をする側は人手不足で疲弊しており、ビジネスとしては強い悩みに対してサービスを提供できる機会が大いにあります。介護サービスや訪問マッサージなど、高齢者が自宅にいながら受けられるサービスがフランチャイズとしても人気です。人々の強い悩みを解決できる業態であるため、社会的に意義のある貢献が可能です。
2-4.宅配サービス業
宅配サービス業も今後の成長が期待されている分野の一つです。宅配サービスといえば注文した料理を自宅まで運んでくれるフードデリバリーを思い浮かべるかもしれませんが、新鮮食材を定期的に届けてくれる食材宅配や、レシピと食材がセットになったミールキットを届けてくれる宅配サービスなど種類は豊富です。料理や食材の宅配サービスはコロナ禍で目に見えるほど増加していますが、コロナ禍が収束したとしても、ネットでなんでも注文するのが当たり前になった今、その利便性から宅配サービスの需要は今後も続くことが予想されます。
2-5.ハウスクリーニング業
ハウスクリーニングは若者から高齢者まで幅広い世代のニーズがあるビジネスです。高齢者は、掃除で部屋を歩き回ることが負担だったり、核家族化が進む現代においてはサポートしてくれる家族も少ないため、ハウスクリーニングが便利に感じられるはずです。若者や夫婦など働き盛りの世代では、仕事から帰って来ると疲れているため、できれば掃除はしたくないと考えるのが本音のはずです。ハウスクリーニングを依頼すれば掃除のことを考えずに済み、自宅が本当の意味でリラックスできる場所になります。家事はプロに任せるもの、というイメージが今後広まっていくかもしれません。
2-6.学習塾業
日本では少子化が進んでいますが、学習塾業界の業績は伸びています。子どもの数は年々減り続けていますが、その分子ども1人あたりにかける塾の費用は増加しているからです。また、2011年以降小学校から高校まで段階的にゆとり教育が廃止され、学習量が増加していることも塾通いが増えている要因のひとつです。さらに、幼稚園や小学校に通う子どもの塾費用が増えたり、集団でなく個別指導塾に通う生徒が増えたりと、塾市場が拡大している背景には複数の要素があります。ただし、勉強を教えるだけでなく勉強の仕方を教える塾が話題を集めるなど、勉強の本質を捉えたサービスを考案することが消費者の心を掴むために必要です。
2-7.フィットネス業
フィットネス業界では、人数制限を強いられたスポーツクラブがコロナ禍の影響を大きく受けました。しかし、コロナ禍においても運動の必要性を感じている人が多く、レッスンやスクールなどのニーズは失われていません。フィットネスのニーズは女性に多いため、女性専用など特別感のあるサービスが人気となっています。個人に合わせたメニューや指導が求められており、フィットネス業界のトレンドとなっていくでしょう。オンラインとオフラインを組み合わせるなど、顧客ニーズの多様性に対応していくのがポイントです。
3.これから伸びるフランチャイズ本部を選ぶ際のポイント
伸びるフランチャイズ本部を選ぶために、情報収集やサポート内容、ビジョンの有無をチェックしましょう。
3-1.トレンドや市場の動向など情報収集が大切
伸びるフランチャイズ本部を選ぶためには、トレンドや市場の動きについての情報を自ら取りにいく姿勢が欠かせません。市場についての情報を大量に収集していくことで、業界の大きな流れを感じ取れるようになります。よいフランチャイズ本部と出会うために、できるだけ手広く情報を掴んでいくのがおすすめです。
3-2.本部のサポート内容は手厚いかをチェック
伸びるフランチャイズ本部は手厚いサポートを用意しています。なぜなら、フランチャイズ本部が成功するためには、フランチャイズ店舗の成功が欠かせないからです。フランチャイズ店舗が成功していないのに本部だけ潤っているのなら、搾取している可能性が高く長続きしない恐れがあります。フランチャイズ店舗の成功を切に願ってアクションもしてくれる本部を選ぶようにしましょう。開業前はもちろん、開業後にも継続的で丁寧なサポートがあるかを確認してください。
3-3.総合的な費用の比較をする
総合的な費用の比較を丁寧におこない、伸びるフランチャイズかどうかの判断をおこないます。初期費用は加盟金や保証金、開店資金などを指す費用ですが、運営を開始してから売上が立つまでの間にも費用がかかります。初期費用が高くてもランニングコストが安い、またはその反対、という見せ方をしているフランチャイズ本部もあるため、ランニングコストも含めた資金計画を元にフランチャイズ本部を比較することが大切です。
3-4.投資回収の早さをチェック
伸びるフランチャイズ本部は、投資回収も早い場合が多いです。投資回収とは、開業のために支出した資金分を店舗運営で得られた利益が上回ることです。投資回収の完了は、ビジネス全体としての収益がプラスになることを意味します。フランチャイズ本部を比較する際は、投資回収の早さも注目してみましょう。
3-5.明確な経営ビジョンがあるかをチェック
ビジネスを成功に導くためには、明確なビジョンを掲げ、それを実現させるための具体的なアクションを検討し行動に移していく必要があります。ビジョンが明確でなければ、あらゆる行動が後手にまわってしまうことでしょう。本部として明確なビジョンを掲げているかどうかも、本部を選ぶ際のポイントになります。
4.まとめ
フランチャイズの実情や将来性について解説しました。フランチャイズでの開業は大切な時間とお金を投資することになるため、できるだけ成功確率を高めるためのアクションが必要です。記事内でご紹介したこれから伸びる業種や本部の選び方を参考に、ぜひ自分に合うフランチャイズを探し出してください。